相続人の相続割合は、民法で細かく決められています。
でも、
「父の事業を継いで、相続財産を増やすことに貢献したのだから、他の兄弟よりも相続分が多くてもいいはず・・・。」
「母の療養看護は全て私が看たのだから、他の兄弟よりも相続分が多くてもいいはず・・・。」
そう考えるのは自然なことだと思います。
相続人の中で、被相続人に特別に貢献した人がいたなら、その人の相続分を増やすことが公平ともいえます。
民法でも、被相続人に特別な貢献をした場合には、本来の相続分に加えて、別な取り分を受け取ることを認めています。
これを「寄与分」といいます。
寄与分が認められるのは相続人に対してのみです。
ですから、内縁の妻や娘の夫などは、どんなに貢献していても寄与分は認められません。
相続人に「寄与分」が認められるのは、次のような場合です。
●被相続人の事業に関して労務の提供または財産の給付をした場合
●被相続人の療養看護をした場合
●被相続人の財産の維持、増加について特別の寄与をした場合
具体的にこの「寄与分」がいくらになるのかは、相続人全員の話し合いで決めることになります。
もし、話し合いがモメてまとまらない場合には、家庭裁判所に調停や審判を申立ててその額を決めてもらうことになります。
家庭裁判所では、貢献の内容を考慮して寄与分がいくらなのかを決めます。
寄与分が決まったら、すべての相続財産からまずその寄与分を切り離して、残った相続財産を法定相続分に基づいて分割します。
寄与分を認めるのか、認めるにしても具体的に寄与分がいくらなのかを算定するのは難しいですし、相続人同士でモメる原因にもなりかねません。
ですから、貢献してもらった人に財産を多く相続させたいのであれば、その旨をキチンと書いた遺言書を作成することがおすすめです。
もし相続や遺言について分らないことがあれば、相談は無料ですので、お気軽にご相談ください。