遺言書には「財産は全て長男に全部相続させる」とあったが…

もし相続人が複数いる場合、遺言書に「財産は全て長男に相続させる」と書いてあったら、必ずこの内容に従わなければならないのでしょうか?

その遺言書が法的に有効なものであれば、原則としてその内容に従うことになります。

しかしこの遺言書のような場合には、他の相続人にも最低限相続できる財産割合が認められています。

これを「遺留分」といい、被相続人であっても遺言書で自由に変更できません。

遺留分

遺留分割合

この遺留分割合は、誰が相続人かによって変わってきます。

●配偶者と子が相続人の場合
各相続人の相続割合の半分が遺留分割合として認められます。
そのため遺留分は配偶者1/4、子が1/4となります。

●配偶者と父母が相続人の場合
各相続人の相続割合の半分が遺留分割合として認められます。
そのため配偶者が1/3、父母が1/6の遺留分となります。

●配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合
兄弟姉妹には遺留分の権利はありません。
そのため配偶者が1/2、兄弟姉妹は遺留分なしとなります。

遺留分減殺請求権

しかし、この遺留分は何もしなくても自動的に認められるわけではありません。

例えば、遺言書どおりに長男が全財産を相続してしまった場合は、「遺留分減殺請求」をして、自分の相続分を取り戻す必要があります。

この「遺留分減殺請求権」は、
・遺留分が侵害されていることを知った日から1年
・相続開始の日から10年
で時効によりなくなってしまいますので、注意が必要です。

相続人全員の合意で自由に分割できます

また相続人全員の合意があれば、遺言書の内容に関わらず自由に遺産分割をすることができます。

・土地と建物は長男が相続する。
・預貯金は次男が相続する。

のように、相続人全員の合意があれば、どのような割合でも相続することが可能です。

遺言書を書く際には「遺留分」に配慮する

「遺留分」については、被相続人であっても遺言書で侵すことはできません。

そのため遺言書を作成する場合は、遺留分に配慮することも重要なのです。

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